勉強会:歯内歯とは
こんにちは。ザ・インプラントクリニック福岡のドクターです。
歯内歯に関する論文を拝見したので、歯内歯というものについて皆さんにもご紹介できればと思います。
歯内歯(しないし)とは、歯の形態異常の一種であり、
歯冠の象牙質の一部が表層のエナメル質とともに歯髄腔内へ深く陥入する状態を指します。
嵌入歯・重積歯・内反歯などと呼ばれることもあります。
この異常は、組織学的に見ると歯髄腔内に歯質が入り込んでいる点が特徴的であり、その構造は通常の歯と逆転しています。
すなわち、外側に象牙質、内側にエナメル質という並びになっており、本来の発生過程とは異なる形成を示します。
さらに、この陥入部分には歯牙腫瘍組織や石灰化した組織、食物残渣などが認められることが多く、
結果としてう蝕(虫歯)のリスクが極めて高くなります。
う蝕の進行を防ぐためには、萌出直後の適切な予防処置が必要となります。
しかし、すでにう蝕が進行し、歯髄疾患や根尖性歯周炎を引き起こした場合、
通常の根管治療では対応が困難なケースも少なくありません。
そのため、最終的には抜歯が必要となる症例も多く報告されています。
このような珍しい歯の異常を正確に診断するためには、詳細な画像診断が欠かせません。
当院ではCTを用いた精密検査を行い、見落としのない診断を心がけております。
また、抜歯が避けられない場合でも、インプラント治療によりしっかりと咬合機能を回復させることが可能です。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。