歯科治療(インプラント)がとても怖いという方へ
「歯科治療(インプラント)をしたいのに、歯科医院に行くのがどうしても怖い」と悩んでいる方はいませんか?
歯科医院に行けずに困っている人は、自分と同じ症状の患者が実際にいるとは思えないのではないでしょうか?
明確なデータがあるわけではないのではっきりとは言えませが、私の経験からすると、このような悩みを抱えて歯科医院に来院できない患者樣は、年々増加傾向にあるように感じます。
歯科医院に行くことができない患者樣が増加している理由とは?
では、「歯科医院に行くことができない患者樣」が増加している理由は何でしょうか?
理由は、大きく二つあるのではないかと考えています。
- 【理由1】
- 歯科医院でとても怖い思いをして、そのことを忘れることができない方が増加している
- 【理由2】
- 「心の病気」をもっている方が増加している
【理由1】歯科医院でとても怖い思いをして、そのことを忘れることができない方が増加している
この場合は、特に子供の頃に歯科医院でとても怖い思いをして、そのことを忘れることができないケースです。
もともと、歯科医院は病院の中でも特にイメージがよくありません。「痛くて、怖くて、辛くて、苦しい」と思っている方がほとんどではないでしょうか。
そして、イヤイヤ行ってみると、想像通りの辛い思いをしてしまう。
「キーン」という嫌な音を聞いて、注射を打ち、歯を削り、抜歯を行うなどと痛い治療を一所懸命耐える。その怖い、痛いといった嫌な体験がトラウマとなります。
そして歯科医院に行こうとしただけで、過去の痛みや恐怖感が呼び起されてしまう「フィードバック現象」が起きるのです。
そうして、歯科医院へ行くことが躊躇われるようになってしまいます。
【理由2】「心の病気」をもっている方が増加している
もう1つの理由は、「心の病気」を抱えている人が増加していることです。ストレス社会と言われる現代では、本人がまったく気づかないうちに、心を病んでしまうことも少なくありません。
心が健康な状態ならともかく、心の病をもっていると非常に大きな不安や恐怖感をもつことがあります。それも、御本人にしたら、とても耐えられないレベルの恐怖です。
この不安や恐怖感の矛先が、歯科治療へと向けられてしまいます。とにかく不安が増大してしまうので、「この先、どのようになるのか想像がつかない歯科治療(インプラント)はできない」と感じる一因となります。
これらの2つが、歯科医院に行くことが難しいと悩んでいる人が増加している理由だと思います。当院に来院する患者樣を見ると、特に「歯科医院に対してのトラウマ」を持つ方が非常に多く、そして次に「心の病気」を抱える方が多くいらっしゃると感じます。
あなたは、歯科治療に対して[単なる怖がり]と思われていませんか?
「いい大人が、怖くて歯医者に通えないなんて信じられないよ」
怖くて歯科医院に通うことができずに悩んでいる方の95%が、周りの人からこのように言われているのではないでしょうか?
特に、家族や親友など、信頼している方からの言われることが多いそうです。
それゆえに、とても傷ついてしまいます。家族や親友達も、何気なく、軽い感じで言っただけでしょう。
しかし、本気で悩んでいる方からすれば、実に心に突き刺さる言葉となるのです。
問題なのは、この事が二次被害となってしまう可能性があることです。
「私は他の人に比べて怖がりなのか?確かに成人して歯科医院が怖いというのはおかしいのかもしれない。頑張ったら行けると思う、さあ、行こう」
自分自身にそう言い聞かせ、覚悟を決めて歯科医院に来院しようとする。けれども、どんな頑張っても足が重く、どうして行くことができない。
そうなってくると、「人に比べて、自分は怖がりなんだ」「私は歯科医院にも行くこともできないどうしようもない人間だ」とまで考えるになり、ますます歯科医院から離れていってしまいます。ここまでくると、「ただの怖がり」と話を解決できるものではありません。
「歯科診療恐怖症」を発症している
最近、ストレスが元で、「うつ」を始めとする心の病気を発症している方が増え続けています。
この「歯科診療恐怖症」というのは正しい病気の名称ではなく、私が使用している造語です。
歯科診療恐怖症とは、「歯科医院は怖い」という思いから強烈なストレスを感じて歯科治療に行くことの難しい状態のことを指します。
近年このような不安を抱える患者様が増加していることもあり、「歯科診療恐怖症」と呼んでいます。
強烈なストレスを感じて歯科医院に来院できない方が「歯科診療恐怖症」となっている事がわかります。
歯科医院に行けなくて悩んでいる方は、行こうとするだけで、
- ・
- ひどい動機 息切れ
- ・
- めまい
- ・
- 立ちくらみ
が現れたり、歯科治療独特のキーンという音や薬品の臭いを感じる事によって吐き気などの症状が出てくる場合もあります。
残念ながらそれほどに症状が深刻であっても、やはり周りの人々は「ただのわがままじゃないの」「怖がりなだけ」「辛抱強くない、我慢のできない人」と思われてしまうことが多いです。
問題は、家族や親友のみならず、歯科医の中でも同じに解釈する人が少なくないという現状です。
意外に多いと思われる嘔吐反射
口腔内に物が入るだけで「ウエッ」と気持ち悪くなる。
このような状態を「嘔吐反射」、別名「異常絞扼反射」と言います。
嘔吐反射で歯科医院に来院できない方は意外と多いのです。
歯ブラシを入れるというだけでも嘔吐反射を起こしてしまう方は数多くいらっしゃいます。
「嘔吐反射」という言葉はほとんど世の中には出回っていません。
症状が現れない人にとっては、「治療の際の吐き気が理由で歯科医院に来院できない人など、いるのだろうか」と考えがちです。
しかし、実を言いますと、数多くの患者様がこの症状で来院できずにいると推測されます。
軽い嘔吐反射の患者様は、歯型を採る場合に型とり機材を口腔内に入れたり、奥歯の部分的なX線を撮影する際に苦しくなるようです。
しかし程度の酷い方になりますと、「前の歯を触ることも無理」「歯科専用の小さい鏡を口腔内に入れることも難しい」という状態です。
歯科専用の小さな鏡が口内のどこも触れていなくとも、入るだけで吐き気をかんじてしまいます。
嘔吐反射が重症になれば、歯科診療を思い出すだけで、吐き気が起こります
嘔吐反射は、もともとは身体を防御するために備わっているものなのです。
普通、身体対して都合の悪いものが入ってくる時に、反射的に嘔吐をします。
歯を治療するのは身体に対して悪いものじゃなく、本当は良いものですよね。
なのに反射を起こしてしまうのです。
このような嘔吐反射の患者様には歯科診療をする際、通常、以下の方法を行います。
- 診療は寝たままでなく、座っている体制で行う。
- 横になり診療の時は足を上げて維持したままで治療をしていきます。
- 治療中は治療以外のことを考えてもらう。
- 型とりやX線撮影は、下のアゴをひいてから、慌てずにゆっくり鼻呼吸してもらう。
- 嘔吐反射が起こりそうな時は、腹筋に力を入れ、みぞおちをゆっくり押す。
上記の対応は、症状の軽い人ならともかく、重い症状の嘔吐反射の患者様ですと、全く通用しません。
歯科診療での嘔吐反射の時も、やはり診療に対して極度の不安や恐怖など心身的な問題が原因になります。
このことも、昔の思い出したくない体験、つらく悲しい記憶が根本にあります。
不安や恐怖心という心身的な原因により、嘔吐反射が起こり得るならば、患者様の不安をやわらげ、気持ちを落ち着かせることで発症を抑制することができます。
解決法の一つとして、懇切丁寧な対話(カウンセリング)と麻酔に対するコントロールが重要です。
麻酔を含む全身管理も加えることで、口内だけでなく心の病気も治療していきます。あなたのお悩みや心配ごとを解決していきましょう。
ぜひとも、遠慮なくご相談を…
インプラント治療が怖いという方へ
「歯科治療は平気だけど、インプラントだけはどうしても怖い」と感じている方もたくさんいらっしゃることでしょう。
しかし、そのような方たちも、インプラントという治療について詳しく知っていただければ、怖い・痛そうなどの悪いイメージは払拭できます。