歯科インプラントの基礎知識
インプラントとは?
“インプラント”は”植え付ける”という意味です。体内に医療器具や材料を埋め込む治療をインプラントと言います。金属・プラスチック製の人工関節や、乳房再建術に使用するシリコンもインプラントです。
歯科においてのインプラントとは、歯を失った箇所に人工の根っこ(人工歯根)を手術で埋め込み、それに人工の歯を取り付ける治療方法です。歯を失うと、歯の根っこも失ってしまいます。この根っこの部分を補うために、チタンやセラミックなどの素材で作られた人工歯根を埋め込む治療をインプラントと呼びます。
歯肉を切開し、骨に穴を開けて人工歯根を埋め込む外科手術と聞くと、痛そう・怖いと言ったイメージがあるかもしれませんが、局所麻酔はもちろん静脈内鎮静法といった麻酔方法もあるため、治療中に強く痛むことはほとんどありません。骨の中の重要な血管や神経を傷つけるというトラブルを避けるため、当院ではレントゲン撮影やCT撮影など、詳細に検査をして埋入箇所を決めています。
以前の歯科インプラントは大きく、顎の骨に負担をかけることがあり、多くの人がインプラントに対して不安を抱いていました。しかし、最近のインプラントは大幅に進化し、よりコンパクトで高品質なものが利用されています。
小型で高品質なインプラントを使用することで、骨への負担や痛みが大幅に軽減され、歯のインプラント治療はますます身近な選択肢となっています。
「歯がなくなっても噛むことができて、自然で美しい口元と、若々しさを取り戻したい」
インプラントはこの夢のような願いを実現できる治療方法です。
インプラントは入れ歯と異なり、取り外す必要がなく固定されるため、見た目や噛む機能がまるで自分の歯のように回復します。
また、失った歯を補う治療方法のひとつであるブリッジは、残っている歯を支えにするため、健康な歯でも削って形を整える必要がありますが、インプラントは残存歯を削る必要がありません。
さらに、定期的なメンテナンスを受けることによって骨の吸収を防ぐことができれば、長期間にわたって保存できる治療法です。
インプラント症例集
失った1本の歯をインプラントで補った症例
施 術 名 │インプラント治療
料 金 │1本95,000円~135,000円 治療費は材質や治療本数によって異なります。
考えられるリスク │抜歯を行う場合、出血や感染症のリスクがあります。また、抜歯後の仮歯装着期間や治療後は、正しく歯を磨く必要があります。清掃が不十分だと隙間から虫歯になったり歯周病を発症してしまいます。定期検診を受診してください。
先天性欠如歯(生まれつき永久歯が欠損している状態)で生えるべき歯が生えてこず、1本だけ奥歯がなかった患者様です。他の歯を守るために入れ歯かインプラントを入れたほうが良いとかかりつけの歯科医院で言われ、入れ歯は嫌だということで当院にご来院になりました。
取り外す必要もなく、見た目も美しいインプラントにご満足いただけました。
すべての歯をインプラントで補った症例
施 術 名 │インプラント治療
料 金 │1本95,000円~135,000円 治療費は材質や治療本数によって異なります。
考えられるリスク │抜歯を行う場合、出血や感染症のリスクがあります。また、抜歯後の仮歯装着期間や治療後は、正しく歯を磨く必要があります。清掃が不十分だと隙間から虫歯になったり歯周病を発症してしまいます。定期検診を受診してください。
上の歯をすべて失ったため、総入れ歯を使っておられましたが、噛むたびに外れて痛いので入れ歯からインプラントに変えたいとご相談いただきました。
インプラントはしっかりと骨に結合していれば外れるということもなく、自分の歯が復活したように違和感なく何でも噛めるようになります。入れ歯でお悩みの方は、インプラントへの移行もご検討ください。
抜歯後、即日インプラントで治療した症例
施 術 名 │インプラント治療
料 金 │1本95,000円~135,000円 治療費は材質や治療本数によって異なります。
考えられるリスク │抜歯を行う場合、出血や感染症のリスクがあります。また、抜歯後の仮歯装着期間や治療後は、正しく歯を磨く必要があります。清掃が不十分だと隙間から虫歯になったり歯周病を発症してしまいます。定期検診を受診してください。
奥歯を歯周病で失い、残っている歯も虫歯や歯周病でボロボロな状態の患者様でした。抜歯が必要でしたが、抜歯後にしばらく歯がない状態になるのは恥ずかしいとお悩みだったので、即日インプラント治療をご提案いたしました。抜歯当日には仮歯が入るので、人目を気にせず過ごすことができます。
インプラント治療のメリット
歯の欠損を補うためのインプラント治療は、歯科治療の分野で革命をもたらしたと言っても過言ではありません。その理由は、インプラント治療には多くのメリットがあり、患者様にとって有益な選択肢であるからです。以下に、インプラント治療の主なメリットを詳しく説明します。
1. 隣接歯への影響がない
取り外しが不要な従来の歯の欠損補填方法として使用されていたブリッジは、欠損歯の代わりに隣接した健康な歯を削る必要がありました。しかし、インプラント治療では、欠損部位の骨に人工の歯根を埋め込むため、隣接歯に影響を及ぼすことがありません。このため、周囲の健康な歯を損なわずに、欠損歯を補うことができます。
2. 顎骨の吸収を防ぐ効果がある
歯を失うと、時間とともに顎骨が吸収される傾向があります。しかし、インプラント治療では、人工の歯根を顎骨に埋め込むことにより、顎骨に刺激を与え、吸収を防ぎます。この効果により、顔の形状を維持し、将来的な顎骨の問題を予防することが可能です。
3. 天然歯の様に美しくキレイ
インプラントは、天然の歯とほとんど区別がつかない外観を持つ人工の歯を使用します。そのため、見た目が美しく、自然な笑顔を取り戻すことができます。歯の色や形状を調整し、患者様に合わせた美しい歯を再現することが可能です。
4. 咀嚼力の向上
一般的に使用されるチタン製のインプラントは、顎骨と非常に強固に結合します。これにより、噛む力が自然な歯と同様に分散され、食事や日常生活においても快適に使用できます。咀嚼力が向上し、食事の幅が広がるため、栄養の摂取が改善されます。
5. 適切なケアでコスト面でも安心
インプラント治療は、一度の手術によって長期間にわたって効果を提供します。適切なケアとメンテナンスが行われれば、インプラントは数十年以上持続することがあります。このため、長期的な視野で見た場合、コスト面でも合理的な選択と言えます。
インプラント治療のデメリット
歯の欠損を補完するためのインプラント治療は、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも考慮すべきです。保険が使えず、自費診療のインプラント治療には高額な費用や一定のリスクが伴うことを理解し、歯科医との十分な相談を通じて適した治療を検討しましょう。
1. 高額な費用
インプラント治療は、保険適用外のため、患者様自身が費用を全額負担する必要があります。一本あたりの費用は、一般的に25万円から45万円程度と高額です。ただし、医療費控除の適用がある場合、一部の費用を軽減することができます。
2. 治療期間の長さ
インプラント治療には、上顎の場合、約6ヶ月程度の期間が必要です。一方、下顎では約3ヶ月程度の期間がかかります。ただし、条件によって治療期間を短縮できる場合もあります。
ザ・インプラントクリニック福岡では、一次手術当日に仮歯の装着まで行う「即日インプラント」という治療もご提供しています。
3.健康状態によっては治療を受けられない
インプラントを埋入するためには外科手術が必要となるため、糖尿病などの全身的な疾患を抱えている患者様は、インプラント治療が難しい場合があります。これらの疾患は治療の成功率に影響を及ぼすことがあり、歯科医との詳細な相談が必要です。
4. インプラント周囲炎のリスク
インプラント治療後も、天然歯が歯周病になるのと同じように、インプラント周囲炎という歯肉や顎骨の感染症発生リスクが存在します。
インプラントは天然歯よりも感染しやすいため、口腔内の適切な管理と定期的なメンテナンスが不可欠です。通常、6ヶ月に1回のメンテナンスが推奨されますが、状況に応じて3ヶ月に1回のメンテナンスが必要な場合もあります。
インプラントの治療費
インプラント手術費用 1本 | ¥95,000~135,000 |
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カウンセリング | 無料 |
※その他治療費
人工歯の部分(上部構造+連結装置)1本あたり(一例:アバットメント29,000円~70,000円 被せ物30,000円~80,000円)
連結装置(アバットメント):インプラントと被せ物をつなげる装置のこと
当院は、多くの歯の問題に直面する患者様を支えるために設立されました。私たちは患者様の負担を減らし、より多くの方々にインプラント治療の機会を提供したいという願いを持っているため、費用を最小限に抑えています。安心してインプラント治療を受けていただけるよう、リーズナブルな価格設定に取り組んでいます。
インプラント治療を受けられる人とは
インプラント治療は、自然な食事を楽しむことや美しい外観を取り戻すことで、多くのメリットを提供する歯科治療とされています。しかし、この治療方法は全ての人やケースに適用できるわけではありません。患者様の健康状態や、顎骨の状態などによってはインプラント治療ができない場合もあります。
成功の可否は患者様の歯と体の状態だけでなく、歯科医師のスキルや診療施設の設備にも左右されます。一つの歯科医院で「インプラントはやめた方がいい」と診断されたとしても、設備や技術が異なる医院ではインプラント治療が可能だったというケースもあるため、諦めずにセカンドオピニオンを受けることもご検討ください。骨が足りないと言われた場合でも、再生治療(骨造成)によって治療が可能となる場合もあります。
歯を失ったまま放置すると危険です
歯が1本でも欠損すると、自然な笑顔を作ることが難しくなり、せんべいや漬物など硬い食べものを楽しむことが難しくなるかもしれません。なくなったのが1本だけなら、食事も見た目もさほど気にならないという場合でも、放置するのは危険です。
通常上下28本ある歯は、お互いがバランスよく噛み合っていることでその位置を保っています。歯を一本でも失うと、周囲の顎骨が徐々に減少し、その周りの残存歯に負担がかかります。
歯がなくなったスペースに向かって対合歯が挺出(骨から抜け落ちて伸びてくること)したり、両隣の歯が倒れてきたりします。挺出した歯も倒れた歯も、骨から抜け落ちてきているのでぐらつき、いずれは抜けてしまいます。
これにより噛み合わせが乱れ、さらに歯が不安定になります。結果として、他の歯も次第に傾向し、すべての歯を失うリスクが高まります。
また、咬み合わせがおかしくなることで口や肩周りの筋肉が痛み、ひどくなると顎関節症で話すことさえ難しくなり、片頭痛に悩まされることもあります。歯だけでなくさまざまなことに影響を及ぼすことになるでしょう。
歯は見える部分の歯冠と、骨や歯茎の下になって見えない部分の歯槽(根っこ)に分かれています。歯の根っこは歯と顎の骨にしっかりと接合し、歯冠部をサポートしています。
虫歯や事故による破折などで歯冠部だけを失った場合は、残った根っこの中の神経の治療をして、銀歯やセラミックなどの差し歯(被せ物)で治療することができますが、歯を根ごと失った場合は差し歯で治療することができなくなります。
歯を補う治療方法はいくつかありますが、歯そのもの、つまり歯冠部と歯の根っこの両方を再現させる治療方法はインプラント以外にはありません。
35年以上の実績があるインプラントの歴史
インプラントは、1952年にスウェーデンのDrブローネマルクが、純チタンと骨が結合することを偶然発見して誕生した歴史があります。Drブローネマルクは、その後15年以上緻密な実験を行い、「ある環境条件のもと顎骨に埋入された純チタンは、骨に対して拒否反応が起こることもなく、強大な結合が可能である」ということを発見しました。
Drブローネマルクは、この治癒行程をオッセオインテグレーション(osseointegration)と名づけました。この治癒行程がブローネマルクインプラントの重要な基盤となります。
その後の1965年に、初めて人工歯根(インプラント)を臨床の現場に使用し、それ以降、信頼のおける歯科インプラントとして世界中で愛されています。
Drブローネマルクによるインプラントの発明は、近代歯科医学の発展の中でも、とても画期的な技術なのです。ブローネマルクインプラントでは、歯がなくなった部分の見た目と機能性、つまり、歯全体(歯冠部から歯根部)まで再現することが可能になります。
インプラントは、人工歯根を埋入し、被せ物を支持します。しっかり噛むときの力は予想以上に強く、この力に耐久し得るためには、強力な支持が必要です。ブローネマルクインプラントは、自身の歯と同じように、この咬合力に耐えることができるように製作されています。
ブローネマルクインプラントの最大の利点は、効能が永続的だということです。統計上、プローネマルクシステムでは、オペ後にインプラントが抜けたなどのトラブルが起こった人は、100人中2人もいません。粗悪なインプラントでは、このように長期に渡って安全性を確保することは難しいでしょう。
ブローネマルクインプラントでの治療が始まり35年以上が経ちますが、今でも多くの患者様のお口に使用されています。現在は、全世界にわたる65万人以上の患者様が、ブローネマルクインプラントを利用しております。
ブローネマルクインプラントを埋入する治療を受けると、抜歯した周りの骨の喪失が抑制され、また骨の回復が起こる場合もございます。つまり、インプラントというのは、もともと存在した自分自身の歯の機能性と見た目を同じように再現することが可能なすばらしい治療なのです。
さらに近代の歯科技術の進歩により、インプラントの上部構造(被せ物)の形態や色彩は、昔のご自身の歯に似せて同じように製作することができるようになりました。
ザ・インプラントクリニック福岡では、そんなブローネマルクシステムのインプラントを作るメーカーの中でも、世界中で高いシェア率を誇るノーベル・バイオケア社のインプラントを主に使用しています。
インプラントシステムは様々な仕組みがあり、その仕組みに基づく理論や特徴、治療方法、安全性はメーカーによって異なります。当院は安全性への配慮や、サポートシステムなどが充実しており、患者様に自信を持っておすすめできるメーカー製のインプラントのみを使用しています。
世界的トップブランド ノーベルバイオケアのインプラントについて
天然の歯根に支持されている歯冠は、歯として機能する大事な部分です。歯冠の外側はエナメル質と言われる硬組織から成り立ちます。
インプラントにおいて、人工の歯冠は歯ぐきの内部にある人工歯根にきちんと固定して機能いたします。形態と色彩は周囲の歯と同じように製作されていきます。
世界中でインプラントシステムが利用されています
長きにわたる生理学的な実験により、純チタンと骨が結合することが科学的に発見されました。純チタンはアレルギー反応が起こりにくく、歯科以外にも様々な医療に使用される素材です。
この基礎と応用臨床実験から、口腔外科・歯科補綴まで、ハード・ソフト面の観点からも、研究そして開発が進んできております。この緻密な臨床研究により、長期にわたる維持と、予後の状態が良好であることに期待ができ、信憑性のあるインプラントシステムの仕組みが出来上がりました。
ブローネマルクインプラントは、世界80か国以上の方が使用しています。この35年間で約65万人の患者様がインプラントを埋入し、お口と全身の健康を取り戻してきました。
1980年以降に臨床においてインプラント治療が始まった日本では、昔より普及しつつあるとはいえ、まだまだインプラント治療が一般的と言えるほどは浸透しておらず、未発達な部分も多いと思います。
しかし、ブローネマルクシステムは世界各地域でインプラント治療のパイオニアとして、今もなお発展を続けております。非常に治療が難しいとされる状況の歯にも使用されている、このブローネマルクインプラントシステムを選択する患者様は、どんどん増え続けております。
歯を欠損した患者様にとって、インプラントはお口の健康を取り戻す画期的な治療法です。この安定感が、大多数の方々の口の中の機能性と生活の質QOL(quaity of lifeクオリティ オブ ライフ)を向上させてまいりました。
ザ・インプラントクリニック福岡では、治療のメリットやデメリットを詳しくご説明し、患者様のお体の状態と、治療に対する患者様の考えに適した治療をご提案いたします。
インプラントについて詳しく知りたい、自分に合った治療方法を知りたいといった方でも、お気軽にご相談ください。