勉強会:インプラントと天然歯の共存に不可欠な咬合調整
こんにちは。ザ・インプラントクリニック福岡のドクターです。
インプラントは歯を取り戻す画期的な治療ですが、インプラントを入れたことによって
天然歯の対合歯に負担がかかり、歯根破折などの悪影響を及ぼしてしまっては意味がありません。
歯根膜の存在を意識した咬合調整が大切なのだと院内で改めて共有する機会がございました。
インプラントの咬合調整法には様々な意見があり、統一された見解はありません。
しかし、咬合面の材料や対合歯が生活歯か失活歯かを考慮することは重要です。特に失活歯は歯根破折のリスクがあるため、最大で25μm低く調整することが推奨されています。これは、インプラントを保護しつつ、天然歯との共存を図るための工夫と言えるでしょう。
近年、フルジルコニアが上部構造に多く使用され、陶材の破折リスクは減少しています。しかし、フルジルコニアは脆性があるため、わずかな咬合調整のミスがインプラント本体や周囲組織に悪影響を与える可能性があります。そのため、慎重な観察と適切な咬合調整が求められます。
インプラントが長期間安定して機能するためには、装着時の詳細な咬合調整だけでなく、継続的な咬合管理が必要です。長期間使用していると、咬耗により咬合接触が変化する場合があるため、定期的なチェックと必要に応じた調整が大切です。
また、インプラントには天然歯のような緩衝機能がないため、咬合に対する細心の注意が必要です。特に臼歯部では、強い咬合圧がインプラント体に過剰な負荷をかけるリスクがあるため、ナイトガードの使用などの予防策が推奨されます。
当院では、インプラント治療の成功と長期安定を目指して、CTを用いた精密な検査を行っています。必要に応じて最適な咬合調整を施し、トラブルを未然に防ぐための対策を徹底しています。また、万が一抜歯が必要になった場合でも、インプラントを用いて審美性と機能性を回復する治療をご提案いたします。お悩みがありましたら、ぜひご相談ください。