
ちょっと待って!そのインプラント、どこのメーカー製かご存じですか?
破格でリスクが高いインプラントが横行しています
歯科医師過剰問題が唱えられる現代において、多くの歯科医院の経営状態は年々苦しくなってきています。そこで、「無名メーカーの国産もしくは東アジアのメーカーの激安インプラント」などの製品も開発されています。
東アジア産のインプラントは、世界トップインプラントメーカーの1/10の値段でとても安価です。しかし、品質や安全性についてはきちんと説明できるエビデンスに乏しいです。
このようなインプラントは安心安全なのでしょうか?
今から30年前、ある歯科医院で、東アジア産のインプラントメーカーや無名の国産のインプラントメーカーなどが提供するインプラントを使用したために、残念な結果になってしまったことがありました。今でも、このトラブルに悩み続けている患者様もいらっしゃいます。
世界中で数百社あるインプラントメーカーの中には、品質が悪く安全性が確保できないメーカーが数多くあるのが現実です。
このことはドクターなら誰もが知ることとなり、現在ではインプラント治療に携わる歯科医院のほとんどでは、実績があるヨーロッパやアメリカなどの外国のインプラントメーカーが使用されるようになりました。
激安インプラントで大々的に宣伝している医院のインプラントを入れたことによって、無残なトラブルが起きてしまうかどうかは、インプラント治療から数年ほど経たないとわかりませんが、そのトラブルの原因が「無名の国産もしくは東アジア産などの激安インプラント」である可能性は大いにあります。
このようなメーカー製のものを使用している医院は、患者様の健康を損なってでも自分の利益を上げることだけしか考えていないと思われても仕方ありません。
インプラントには標準的な治療費があります
目先の利益に目がくらみ、サービスの値下げばかりをしているような会社は、後に高確率で大きなダメージを受けることになります。
例えば飲食店では、一般的に1000円以上する生レバーを300円で提供した焼肉屋が、食中毒により2名が死去、18名の被害者を出しました。その他にも、失明騒動が出た格安レーシック眼科治療、1本7万円の激安インプラントが実は使い回しだった…など、多くの事例が挙げられます。
インプラント治療をお考えの患者様に知っていただきたいのは、治療を受けようとしている歯科医院がどこのインプラントメーカーを使用しているのかということです。また、過去に入れているインプラントがあれば、どこのインプラントメーカーなのかもお確かめ下さい。
インプラントは大切なお口の中、つまり体の中に長い間保持していくデリケートなものです。したがって、患者様にもインプラントメーカーごとの品質のこと、また、安全性についても気にかけ、患者様のお身体を自分自身で守っていただきたいのです。
体の中に入れるインプラントには、標準的な治療費の価格設定がございます。安さだけで決めることはせず、後で後悔しないようしっかりお考えの上、インプラント治療を受けていただきたいと思います。
低価格で有名なインプラント専門歯科医院でのトラブル
偽ブランド品のインプラントで大きなトラブルに見舞われた
インプラントメーカーにより、成功率の違いがあるとよく歯科材料メーカーやインプラント治療を専門的に行っている医院の医師たちから伺います。
数十年前、インプラントが骨に結合せず、立て続けに失敗した報告が届き、患者様からクレームが寄せられた某インプラントメーカーの話が歯科医師界隈では持ちきりになりました。インプラントメーカーにより成功率と失敗率の開きが大幅にあることも各種データから判断できます。
このようなトラブルが起こっていたことから、当院はセカンドオピニオン外来を立ち上げた経緯があります。ご相談にお越しになった患者様には、過去に使用したインプラントメーカーを含め、治療する前にしっかり調べることを推奨しております。
トラブルで当院にご相談があった事例
超激安インプラントを埋入された患者様からご相談を受けることが多々あります。ほんの数か月でインプラントが取れた、インプラントが根元から折れたなど…。
通常、インプラントは90%以上の確率で外れることはないと言われています。それなのに、埋められたインプラント10本のうち6本が数か月で取れた、3本が折れたという患者様がいらっしゃいました。10年以上保証すると説明を受けたのにも関わらず、歯科医師に「メンテナンスなどお手入れを怠っていたから折れたのではないか」と言われたそうです。
また、別のある患者様は東アジア製の激安インプラントを入れたとのことでした。インプラント治療後、鼻から排膿するようになり、
「インプラントから膿がでている。インプラントを除去したほうがいい」と言われたそうです。
その後、「インプラント除去に危険は避けられないので、より専門の大学病院に行くように。そこならインプラント除去処置が実施できる」と言われ、たらい回しにされました。
偽ブランド品のインプラントで大きなトラブルに見舞われた
そのような医院で使われていたインプラントの実物を見てみると、何となくNo.1インプラントメーカーのノーベルバイオケア社(ヨーロッパ製)の形に似ていました。しかしじっくり見ると、ボルトの部分の構造が全く違いました。
治療後、インプラントの上の被せ物の状態に異常が出て、ザ・インプラントクリニック福岡にいらっしゃったことから、このインプラントが偽物であったことがわかりました。
インプラントを使いまわす問題も
2010年頃、「愛知県の歯科医院がインプラントを使い回して使用していた!」という報道がありました。
患者様の口の中に埋入していて、何らかの理由で外れてしまったインプラントを、別の患者様に使用していたというのです。
これはインプラントの機能や保ちの問題だけではなく、感染症のリスクなどの観点から考えても、絶対に許される行為ではありません。
当時の新聞に、「インプラントのメーカーのことなど、きちんと治療内容を説明できる歯医者でないと、その医院で治療を受けることは考え直すべきです」と、ある大学病院の教授のコメントが掲載されていましたが、全くそのとおりであると思います。
信頼できるインプラントメーカーとは
当院がおすすめするメーカー
- ・スウェーデンのノーベルバイオケア社(ブローネマルク)
- ・スウェーデンのデンツプライシロナ社(ザイブ)
- ・アメリカのジンマー・バイオメット・デンタル社(カルシテック)
- ・スイスのストローマン社(ITI)
世界的シェアを持つ上記の有名なインプラント社は、各社とも信頼が厚く、高品質です。インプラントで名が通っている歯科医院では、上記4大メーカーのインプラントの中のいずれかのメーカー製インプラントを治療に使っていることが多いです。
この4代メーカー製品を使用している歯科医の治療費は、激安インプラントを使用している歯科医院に比べれば高く感じるかもしれませんが、それだけ安全性に配慮した高品質なインプラントを使っているためである、適正価格だと言えます。
はっきりと安全性が確認できないメーカーのインプラントとは違い、伝統のある世界的トップ4大メーカーのインプラントは各メーカー共たくさんの臨床データに基づいた安全性への配慮が確認できています。
当院で使用しているのは主にノーベルバイオケア社製
ザ・インプラントクリニック福岡では、品質が良く安全性の維持に期待ができると判断したメーカー製のインプラントのみを治療に使用しています。
当院では世界中に多くのユーザーを持つノーベルバイオケア社製のインプラントを主に使用し、安全性に配慮しています。
当院では格安と言われるエビデンスのないインプラントメーカーのインプラントを患者様のお口の中に入れることは絶対にありません。
治療が完了された患者様には「ペイシェントカード」というノーベルバイオケア独自のカードをお渡しします。このカードがあれば、埋入したインプラントの情報を患者様がご自分で確認していただいたり、他院でもメンテナンスを受けやすくなったりします。
費用が安いという理由だけで選ぶのは危険な場合があります
未だに横行する激安インプラント
インプラントに不具合がでることにより、鼻から排膿するなどトラブルが起こったり、10年以上保証すると言いながら、何かと言い訳をして保証を拒否したり、患者様の取れたインプラントを使い回したり…。
激安インプラントによるリスクは多々あるようです。
当院にも『某アジア産インプラント本体を格安価格で仕入れませんか?』『歯科インプラント技工1本激安価格で提供できますよ』など、各種インプラントメーカーから連絡がきます。
確かにこちらの某アジア国の格安の歯科材料を使い、某アジア国の激安な技工所に頼めば安い価格でインプラント治療が可能になり、医院の売上を増やすことができるのかもしれません。
しかし、インプラント本体でも、白い被せ物などの技工物においても、人間の口の中に入るものなのです。
「某アジア国の技工物からたくさんの謎の金属が検出」「某アジア国の技工物から金属アレルギー多数発生」「皆さん早急に異物の除去をして下さい」など、TVの報道などで特集が組まれていたこともありました。各メディアでは、歯科で使う材料や技工物の粗悪な品質に警告を鳴らしています。
このような危険性が少しでもある限り、当院は激安インプラントの導入を行うことはありません。
もちろん、激安インプラントでも成功する場合もあると思います。
例えば、激安インプラントと謳っていても、インプラント本体がトップメーカー製品で、白い被せ物がなどの上物の素材の費用を抑えるのであれば、トップメーカーのインプラントを使いながらも治療費を抑えることもできます。
しかし、患者様の費用負担が減るとしても、安心安全性が担保されていない歯科材料はどうしても使いにくいので、当院での導入は難しいと考えます。
また、当院のインプラント除去システムについてご相談に来られる患者様の多くが、治療費が安いという理由だけで激安インプラントを選び、治療を受けたという方たちなのも事実です。
そんな激安インプラントをご自分の体内に入れるということは、本当に安全なのでしょうか?
すべての人に安心安全なインプラントを選択してほしい
治療費が安いというだけで激安インプラント選択するのは危険かもしれないということがおわかりいただけたでしょうか。
以前ある患者様に、治療費の安い他院と同じ治療費でインプラントを入れてもらえないかと相談されたことがありました。
しかし、当院で使用しているインプラントは、上述したとおり伝統と実績が十分なトップメーカーの製品です。インプラント本体と歯科技工の費用など外注費もかかります。
患者様にはその他院が使用しているインプラントとはメーカーが異なること、激安インプラントを使うことのデメリットなどをしっかりご説明し、納得いただけました。
インプラントは自由診療なので、歯科医院により治療費が違うのは当然です。患者様目線で見れば、治療費は少しでも安いほうがいいという考えをお持ちになるかもしれません。
しかし治療費に差があるということは、「治療に使用しているインプラントのメーカーや、メーカーごとの性能が大きく違うという理由があるから」ということをしっかり頭の中に入れておいていただきたいのです。
インプラントで失敗すると、治療費が無駄になるだけでなく、お体と心の健康にも大きな負担となってしまいます。
当院で治療を受けられる患者様はもちろん、インプラント治療を受けたいと思われているすべての方に、実績が十分な世界トップレベルのインプラントメーカーや、品質が良く安全性の高さに定評のあるメーカーのインプラントを選択してほしいと思います。
そのためには、通おうとしている歯科医院がどこのメーカー製品を使用しているのか、ご自身で調べたり医師に話を聞いたりして決めていただくのがよいと思います。