当院「ザ・インプラントクリニック福岡」の副院長・秋浦覚視医師が、九州支部会 ITI Study Club (2026/7/19, Fukuoka)にて、インプラント治療に関する症例発表を行いました。
ITI Study Clubは、インプラント歯学に携わる歯科医療従事者が集まり、実際の症例や治療計画について意見交換を行う場です。
今回の九州支部会にも、福岡を中心にインプラント治療に取り組む多くの歯科医師が参加し、それぞれの症例について発表やディスカッションが行われました。
当院では、日々の診療だけでなく、院外での症例発表や歯科医師同士の意見交換を通じて、自分たちが行った治療を振り返ることも大切にしています。
今回の症例発表について、ITI Study Clubとはどのような活動なのか、症例を発表することにどのような意味があるのかとあわせてご紹介します。
ITIとは

ITIは「International Team for Implantology」の略称で、インプラント歯学と関連分野に関する知識の普及や教育、研究、歯科医療従事者同士の交流などを行っている国際的な組織です。
ITI公式サイトでは、インプラント歯学に関する学習、ネットワーク、ディスカッション、知識の交換を促進することを活動の目的として掲げています。
インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に埋め込む手術だけで完結するものではありません。
患者さまによって、
- 残っている歯の状態
- 歯周病の有無
- 顎の骨の高さや厚み
- 神経や上顎洞の位置
- 噛み合わせ
- 必要なインプラントの本数
- 人工歯の設計
- 治療後のメンテナンス
などが異なるため、一人ひとりに合わせて診断し、治療計画を立てる必要があります。
そのため、歯科医師がさまざまな症例や治療方法について学び、他の歯科医師と意見を交わすことは、日々の診療を振り返る機会の一つになります。
ITI Study Clubとは

ITI Study Clubは、地域ごとに歯科医療従事者が集まり、インプラント歯学に関する症例や治療方法について学ぶ活動です。
ITI公式サイトでは、Study Clubを「インプラント歯学の最新情報を共有し、臨床上の疑問について議論し、経験や知識を交換する地域の場」と位置づけています。
Study Clubでは、主に次のような活動が行われています。
- 実際の臨床症例についてのディスカッション
- 治療計画の検討
- インプラント手術に関する情報共有
- 骨造成など関連治療についての検討
- 治療後に生じた問題への対応
- 講演や症例発表
- 歯科医師同士での経験・知識の共有
ITIの公式案内でも、Study Clubでは症例検討や講演などを通じて、日常の臨床へつながる知識を共有することが紹介されています。
単に講義を聞くだけではなく、実際の症例について「自分ならどのように診断するか」「どの治療方法を選択するか」と考えながら意見を交換できることも、Study Clubの特徴の一つです。
ITI Study Club九州支部会で秋浦医師が症例を発表しました

今回、ITI Study Club九州支部会にて、当院の副院長である秋浦覚視医師がインプラント治療に関する症例を発表しました。
当日は、福岡を中心にインプラント治療に取り組む多くの歯科医師が参加し、複数の症例発表が行われました。
症例発表では、単に「このように治療しました」という結果だけを紹介するのではありません。
患者さまが治療前にどのような状態だったのかを整理し、
- どのような検査を行ったのか
- 何を問題点と判断したのか
- どのような治療方法を検討したのか
- なぜその治療計画を選択したのか
- 治療をどのような順番で進めたのか
- 治療後にどのような経過をたどったのか
などについてまとめ、他の歯科医師と共有します。
一つの症例について改めて治療の流れを整理することは、治療を担当した歯科医師自身にとっても、判断や治療計画を振り返る機会になります。
また、発表後には他の歯科医師から質問や意見を受けることで、自分とは異なる考え方や治療方法に触れることができます。
症例発表は治療の結果だけではなく判断を共有する場です

インプラント治療では、同じように歯を失っている患者さまでも、すべて同じ治療方法になるわけではありません。
例えば、1本の歯を失っている場合と、多くの歯を失っている場合では、治療計画が異なります。
また、同じ本数の歯を失っていても、
- 顎の骨が十分に残っている方
- 骨の高さや厚みが不足している方
- 重度の歯周病がある方
- 全身疾患がある方
- 過去にインプラント治療を受けている方
- 噛み合わせの力が強い方
では、考えなければならない問題も異なります。
症例発表で重要なのは、完成した人工歯の写真だけを見せることではありません。
「なぜその治療方法を選んだのか」という診断や治療計画まで含めて症例を検討することに意味があります。
他の治療方法は考えられなかったのか
ある症例でインプラントを選択したとしても、ブリッジや入れ歯など、別の治療方法が選択肢になる場合があります。
症例を検討する際には、
「なぜインプラントを選択したのか」
「残っている歯をどこまで保存するのか」
「別の治療方法ではどのようなメリット・デメリットがあるのか」
といった点も重要になります。
インプラントをどこに埋入するか
インプラント治療では、単に歯がない場所の中央へインプラントを入れればよいわけではありません。
最終的に装着する人工歯の位置や形、顎の骨、周囲の歯、神経・血管などを確認しながら、埋入位置や方向を計画します。
骨が少ない場合にどう対応するか
歯を失ってから長期間経過していたり、重度の歯周病などによって顎の骨が減っている場合、そのままではインプラントを埋入できないことがあります。
上記のような場合には、骨造成などの追加処置を検討することがあります。
ただし、すべての患者さまに骨造成が必要なわけではありません。CTなどを用いて骨の状態を確認したうえで判断します。
治療後の経過を確認することも重要です
インプラントは、人工歯を装着して治療が終わりというわけではありません。
治療後には、
- インプラント周囲の歯茎
- 噛み合わせ
- 人工歯
- 残っている天然歯
- 清掃状態
などを継続して確認する必要があります。
症例発表では、治療直後だけでなく、その後の経過を含めて検討することも大切です。
他の歯科医師とのディスカッションから学ぶ

歯科治療では、一つの症例に対して複数の治療方法が考えられることがあります。
経験してきた症例や得意とする分野によって、歯科医師ごとに着目するポイントが異なることもあります。
そのため、自分が行った症例を他の歯科医師へ提示し、
「別の治療方法は考えられなかったか」
「この部分は別の方法でも対応できたのではないか」
「治療後の経過を見るうえで何に注意すべきか」
といった意見を交わすことは、自分たちの診療を客観的に振り返る機会になります。
ITI Study Clubも、臨床上の疑問や治療計画、処置方法、合併症への対応などについて、参加者同士で意見を交換することを活動の一つとしています。
当院でも、今回の症例発表を「発表すること」だけで終わらせるのではなく、そこで得られた意見や考え方を、今後の診療を考える際の参考にしていきます。
症例発表をしていることだけで治療技術の優劣は判断できません

患者さまの立場からすると、
「症例発表をしている歯科医師なら、インプラント治療が上手なのでは?」
と感じるかもしれません。
しかし、症例発表をしているという事実だけで、歯科医師の治療技術の優劣を判断することはできません。
インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際には、症例発表の有無だけではなく、
- どのような診査・診断を行っているか
- 治療方法について十分な説明があるか
- メリットだけでなくリスクも説明しているか
- インプラント以外の治療方法についても説明しているか
- 治療後のメンテナンス体制
- 担当する歯科医師の経験や経歴
- 自分の症状に近い治療経験があるか
など、複数の要素を確認することが大切です。
症例発表は、歯科医師が行った治療について改めて整理し、他の歯科医師と意見を交わす「研鑽の機会の一つ」と当院では考えています。
症例発表を行った副院長・秋浦覚視医師について

今回症例発表を行った秋浦覚視医師は、ザ・インプラントクリニック福岡の副院長を務めています。
これまで大学病院での勤務をはじめ、救命救急センターでの診療、全身麻酔下での手術、全身疾患をお持ちの患者さまへの治療などにも携わってきました。
また、口腔外科学会認定医として、口腔外科領域での経験も診療に生かしています。
インプラント治療では、歯や顎の骨だけを見るのではなく、患者さまの全身状態について確認することも重要です。
高血圧や糖尿病などの持病がある方、複数の薬を服用している方、過去に大きな病気や手術を経験している方などについては、必要に応じて全身状態を確認しながら治療計画を検討します。
秋浦医師自身も、治療方法だけを一方的に説明するのではなく、患者さまと話しながら、その方にとって必要な治療を考えることを大切にしています。
当院では症例発表や研鑽を日々の診療へつなげることを大切にしています

ザ・インプラントクリニック福岡では、インプラント治療を中心に、多くの患者さまの治療に携わっています。
当院の2025年のインプラント埋入実績は3,077本、月間最高では2025年7月に402本でした。
症例数を重ねることで経験できることがある一方、症例数が多いというだけで、すべての治療判断が正しくなるわけではありません。
だからこそ当院では、日々の診療経験だけに頼るのではなく、症例を振り返り、他の歯科医師の考え方にも触れながら学び続けることが重要だと考えています。
CTなどを用いて治療計画を立てます
インプラント治療では、顎の骨の高さや厚み、神経や上顎洞などの位置を確認しながら治療計画を立てます。
二次元のレントゲンだけでは確認しにくい部分については、必要に応じてCTによる立体的な診断を行います。
インプラントだけを前提に考えるわけではありません
歯を失った場合の治療方法には、インプラントだけでなく、ブリッジや入れ歯などがあります。
また、重度の虫歯や歯周病がある場合でも、残せる可能性のある歯まで最初から抜歯する必要があるとは限りません。
当院では、現在のお口の状態を確認し、
- 残せる可能性がある歯
- 保存が難しい歯
- インプラントを検討する部分
- ブリッジや入れ歯を検討できる部分
などを整理しながら治療計画を考えます。
治療方法だけでなく、患者さまの希望も確認します
同じお口の状態であっても、患者さまが治療に求めることは異なります。
例えば、
- できるだけ自分の歯を残したい
- 健康な隣の歯を削りたくない
- 取り外し式の入れ歯を避けたい
- 外科手術への不安がある
- 治療期間をできるだけ抑えたい
- 見た目を重視したい
- 費用について事前に確認したい
など、ご希望は一人ひとり異なります。
検査結果だけで治療方法を決めるのではなく、患者さまが何を重視しているかについてもお聞きしながら治療方法をご提案します。
インプラント治療をご検討中の方へ

インプラント治療について調べている方の中には、
「自分の場合もインプラントができるのだろうか」
「骨が少ないと言われたけれど、本当にできないのだろうか」
「他院で提案された治療方法以外の選択肢も知りたい」
とお悩みの方もいらっしゃいます。
インプラント治療が可能かどうかは、インターネット上の情報だけでは判断できません。
実際には、
- 残っている歯
- 歯周病
- 顎の骨
- 噛み合わせ
- 全身状態
- 服用している薬
- これまで受けた歯科治療
などを確認したうえで判断する必要があります。
このような方は一度ご相談ください
- 歯を失い、インプラントを検討している
- 入れ歯やブリッジとの違いを知りたい
- 顎の骨が少ないと言われた
- 他院でインプラントが難しいと言われた
- 複数の歯を失っている
- 歯がボロボロになり、どこから治療すればよいか分からない
- 現在提案されている治療方法について別の意見も聞きたい
- 自分の場合の治療期間や費用を知りたい
当院では、初診のインプラント相談を受け付けています。カウンセリングとレントゲン撮影は無料で、検査結果を確認しながら治療方法についてご説明しています。
治療を受けるかどうかは、治療方法や期間、費用について説明を受けてからご判断いただけます。
よくあるご質問

ITI Study Clubとは何ですか?
ITI Study Clubは、インプラント歯学に携わる歯科医療従事者が地域ごとに集まり、臨床症例や治療方法について意見交換を行う活動です。
ITIでは、Study Clubを通じてインプラント歯学の新しい情報を共有し、臨床上の疑問について議論したり、経験や知識を交換したりする機会を提供しています。
ITI Study Clubではどのようなことを学ぶのですか?
開催内容によって異なりますが、症例検討、治療計画、インプラント手術、骨造成、補綴、治療後の問題への対応など、インプラント治療に関連するさまざまなテーマについて学びます。
実際の症例をもとにしたディスカッションが行われることも、Study Clubの特徴です。
症例発表をしている歯科医師ならインプラント治療が上手なのですか?
症例発表をしているという事実だけで、歯科医師の技術の優劣を判断することはできません。
ただし、自分が行った治療について診断・治療計画・治療経過を整理し、他の歯科医師と意見を交わすことは、自身の診療を振り返り、知識や考え方を深める機会の一つになります。
秋浦医師について詳しく知ることはできますか?
秋浦覚視医師は、当院の副院長として診療を行っています。
大学病院や救命救急センターなどでの診療経験を経て、現在は当院で患者さまの治療に携わっています。詳しい経歴や診療に対する考え方は、秋浦医師の紹介ページでご覧いただけます。
他院でインプラントが難しいと言われても相談できますか?
はい。現在のお口の状態を確認し、インプラント治療が可能かどうかを検討することはできます。
ただし、検査の結果、当院でもインプラントが難しいと判断する場合があります。
骨造成などによって治療できる場合もあれば、入れ歯やブリッジなど、インプラント以外の治療方法をご提案する場合もあります。
他院で提案されたインプラント治療について相談できますか?
治療方法に迷っている場合は、セカンドオピニオンとしてご相談いただけます。
現在提案されている治療方法や検査結果などを確認し、当院で考えられる治療方法についてご説明します。
セカンドオピニオンは、必ず現在の診断を否定するためのものではありません。複数の考え方を確認し、ご自身が納得して治療を選ぶために利用していただくものです。
症例発表で得た知見を今後のインプラント診療へ

今回、ザ・インプラントクリニック福岡の副院長・秋浦覚視医師が、ITI Study Club九州支部会でインプラント治療に関する症例発表を行いました。
症例発表は、治療結果を紹介するだけではありません。
どのように診断し、なぜその治療方法を選択したのかを改めて整理し、他の歯科医師と意見を交わすことで、自分たちが行った治療を振り返る機会になります。
当院では、これまで積み重ねてきた臨床経験だけに頼るのではなく、症例発表や勉強会、歯科医師同士のディスカッションを通じて得られた知見も、今後の診療を考える際の参考にしていきます。
インプラント治療をご検討の方や、現在提案されている治療方法について迷っている方は、まずは現在のお口の状態をご相談ください。





